
以前、聴覚障害者の方々がはじめて音を聞いた瞬間の動画をご紹介したことがありますが、今回は色覚異常(Colour Blind)の方々が、その症状を補正するメガネをかけることによって、はじめて世界の色鮮やかさを知った瞬間の反応です。
すべての色は、「光の三原色」といわれる赤、緑、青の三つの光の組み合わせで作られますが、色覚異常の方はこの3種類の色を感じる視細胞のうちの、どれかが足りなかったりして十分機能しません。
つまり、赤、緑、青の3つの色を感じ取る機能が正常でないというわけなのですが、そう聞くと「色が違って見えるのだろう」などと想像してしまいます。それは確かにそうなのですが、三原色のうちのどれかを感じ取る機能が弱かった場合の見え方は、「色が違って見える」というより「色があせて見える」と表現した方が適切かもしれません。
下記の美しい風景写真は、色を正常に感じ取れる方の見え方です。

上記のような風景が、色覚異常の方には下記のように見えます。

いかがでしょう? 色が違って見えるというより、色があせて見えると表現した方が適切だといった意味がご理解いただけたと思います。
それでは、こうした事実を踏まえた上で、動画の方をご覧になってみてください。
動画は個人的に感動したものを3本ご用意しました。まずはコンピレーション動画です。
People Seeing Color for the First Time | Cosmopolitan
次は色覚異常の兄弟が補正メガネをかけた瞬間の反応です。お二人とも感動して泣いています。
Colorblind brothers overwhelmed by seeing color for the first time
次は、66年間の人生で初めて世界の色鮮やかさを目にしたおじいちゃんの反応です。やはり感動して涙を流されています。
Giving my colorblind Papa EnChroma glasses
もらい泣きしました。色あせた世界に住む方々が、はじめて世界の美しさ、鮮やかさを目にした瞬間の感動、喜び。それを思うと涙がボロボロとこぼれました。
聴覚障害者の方々がはじめて音を聞いた瞬間の動画をご紹介したときも感じたことですが、この世に「医学」というものが存在したことを、本当に嬉しく思います。