
Photo by pixxiestails
親というものは、子供についてのことをよく覚えているものです。特に、子供を傷つけてしまったり悲しませてしまったりした時のことは、意外なほど小さな出来事までよく覚えています。
これからご紹介するのは、ある人が某巨大掲示板に書き込んだ、子供の頃の小さな出来事に纏わるお話です。
家族でお出かけ中、4つ違いの妹(当時小学生)がビタン!と転倒、
泣き叫ぶ妹を親父は抱き起こし、泣きやむまでおぶって歩いた。
厳しい親父だったし、俺はそんな事してもらった事はなかった。小坊だった俺はその場では文句も言えず、
後で母親に「ずるい…」とか拗ねてみせた覚えがある。それから十余年、俺が一九の時に親父が胃ガンになった。
告知はしていなかったが親父は自分の病状に気づいている様子。
見舞いに行ったある日、親父は俺にこう言った。「10歳の時、○子(妹)が転んだ事、覚えてるか?」
「うん」
「母さんから聞いた。悪かったと思ってる。でもな」
「今更何だよ」
「○子は優しく育って欲しいから助けた。おまえは強く育って欲しいから放っておいたんだよ」
「・・・・」泣いちゃいけないと思いながら、泣けて仕方なかったよ。
短いお話ですが、我が子に対するお父さんの愛情と、レス主さんの切なさが伝わってきて涙が出ました。
冒頭にも書いたことですが、親は子供を悲しませたり傷つけてしまったと感じた時のことを、本当によく覚えていますよね。
たぶんその理由は、子供を傷つけてしまったことに対して自分自身が深く傷ついているからなんだろうと思います。結局親って自分の気持より子供の気持ちの方が大切なんですよね。
お話のお父さんはきっと、この小さな出来事がずっと気になっていたんでしょうね。そして癌であることに気づいていたから、今のうちにに本心を伝えておきたかったんでしょうね。
大昔の小さな出来事に対するお父さんの小さな告白。そこには、我が子に対する深い深い愛情が詰まっていたんだろうなと思います。